2010年02月21日(日)
中部電塾
Posted by Kaz.
昨日は中部電塾に参加してきました。
講師は早川塾長。
インドにある世界遺産「アジャンターの石窟寺院群」の長期にわたる撮影に関するお話をして頂きました。
塾長が見せてくれる写真は、それはもう素晴らしいもので、おそらくこの遺跡に関して他には存在しない、唯一の貴重なデジタルフォトだと思います。
1,000年以上も放置され眠っていた遺跡ということで、損傷も激しく、真っ暗な洞窟の中で「ストロボ禁止」とされながら監視のもとで撮影を行ったそうですが、その中で出来うる限りの技術でハッセルの4,000万画素のデジタルカメラで写真撮影を行ったそうです。
この遺跡は巨大な石を「削り出し」で作っているため、制作には何百年の月日がかかったそうですが、巨大な石の崖の側面に作られているため、中は「石柱」が何本もあり、壁に描かれている壁画をまとめてみることはできないんですね。
そこで塾長は柱の間から個別で撮影した写真を後で繋ぎあわせて、柱の写っていない壁画の全景をデジタルフォトを作り上げたそうです。
その画素数はなんと約2億6千万画素!
その詳細にまで映し出されたディティールは、学者や研究者、遺跡に関わるすべての人を驚愕させ、中には涙を流しながら喜んでくれた人もいたそうです。
悪条件の中、最新のデジタルカメラの技術を根こそぎ引き出し、写真を作り上げる技術は、おそらく早川氏以外いないと思うくらい、世界最高峰のはずです。
デジタルカメラの世界は実は割と融通が効きません。
露出のこと、絞りのこと、解像感のこと。
最新の最高級の機種を使えば、最高の写真が撮れると思ったら大間違いです。
今のカメラとレンズの構成ではどうあがいても不可能なことが沢山あります。
どこまでをカメラに任せ、どこからをPhotoshopを利用して調整するか。
これを知っているフォトグラファーは実は非常に少ないのです。
それを知り尽くしている早川氏の写真は、見ているだけでは一般の人にはわかりません。
が、デジタルカメラの事を深く知っている人ならば、どれほど大変なことか想像がつきます。
通常のカメラの設定では無理なのです。
それを知っているか、知っていなか。
デジタルフォトをする上で、それが大きな境目になります。
高感度や高画素で我々フォトグラファーは大きくカメラに助けられることが増えましたが、それ以前に必要な技術は、じつは何十年の歴史のあるデジタルカメラでも今だ解決されていない事であり、システムが変わらない限り、いつまでたっても必要不可欠なものです。
知らないで往年のフイルムの概念で撮影している、もしくはデジタルカメラの本質を知らないで撮影しているカメラマンは、私から言わせれば「なんちゃってカメラマン」です。
プロに仕事を依頼する以上、その見極めも大事です。
難しいけれど、「写真の質」はそこで決まってしまうことも多々あります。
「センス」だけではやっていけないのが、実はデジタルカメラの世界なのです。
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